ブログ
ブログ
糖尿病は眼、腎臓、心臓、脳血管など全身の様々な部位に障害を引き起こす怖い病気です。
厚生労働省の「令和5年 国民健康・栄養調査」によると、成人男性の約17%、成人女性の約9%が「糖尿病が強く疑われる状態」であることが示されましたが、治療率は半分にも満たないのが現状です。
また、別の調査では、糖尿病の方が眼底検査のために眼科を受診した割合は約48%と低い値にとどまっていることが大きな問題となっています。
眼科での眼底検査は、目の奥の血管を医師が直接見て、糖尿病による目の合併症の有無や程度を判断することができる、とても大切な検査です。
せっかく健診で糖尿病を指摘されても、内科しか受診しておらず、気がついた時には見え方に悪い影響が出てしまっている患者さんが多くいらっしゃることに眼科医は心を痛めています。
眼科医と内科医は、糖尿病の方の眼科受診率の向上や眼の合併症の早期発見、早期治療に努めており、その手段の一つが「糖尿病眼手帳」です。
私のクリニックでも、糖尿病で内科に通院されている方には、「糖尿病眼手帳」をお渡しし、毎回その日の診断結果を記入して、その方が次に内科にかかる時に内科の先生にそのページを見てもらうよう、お声がけしています。
「糖尿病眼手帳」はスマホアプリ版が開発中で、今年中に実用化されるようです。今どきスマホは、どなたも朝から晩まで肌身離さず持ち歩く道具ですので、眼科受診の際に家に忘れてしまうということも防げるでしょう。大いに期待しています。